野草薬草や薬膳素材を漬ける

1: 薬用人参酒

 言わずと知れた薬草の王様、オタネニンジン(薬用人参)のお酒です。市販品も多く出回っていますが、やはり自分で漬けたものはエキス分も多く、味も調整できるのでお勧めです。生が手に入らない人は、生薬の乾燥品でもOKです。漬け込みブレンドはお好みですが、けっこう飲みにくい?風味です。気血水すべてを補う作用が強く、虚弱な方にはうってつけの薬膳酒です。紹興酒やクセの強いお酒とブレンドすると意外に飲めますよ。配合はお好み。


2: 黒胡麻酒

 薬膳酒と言うにはあまりにも普通の素材ですが、侮るなかれ!滋養強壮に効果的なだけでなく、血液循環を促進して強精効果も期待できます。

 乾煎りした黒胡麻80gに25度甲類焼酎720mlを注ぐだけ。2週間ほど漬け込めばOK。甘味を加えていないので、お湯割りで晩酌に最適。香ばしい風味で、クセになるおいしさ。おいしくて体にいいのが一番ですね!多少の濃淡はお好みです。


3: ローズマリーワイン

 若返りのハーブと呼ばれるローズマリー、特に女性にやさしいお酒です。更年期障害、のぼせ・ほてり・イライラを和らげてくれます。健胃・解毒作用のほか、強壮・老化予防も期待できます。

 ローズマリー小枝10㎝×4本+赤ワイン360ml+35度ホワイトリカー360ml+氷砂糖50g。5日前後で濾して仕上げ、早めに飲みきるようにしましょう。オレンジピールやシナモン・クローブなどを加えても美味しくなります。お好みで楽しんでください。


4: シナモン生姜酒

 寒い季節のお助け薬膳酒。身体の中から温めて発散してくれます。新陳代謝を促進し、発汗温熱効果に優れたスパイスのブレンド酒で、いつでも手に入る素材なので嬉しいですね。

 生姜150g+シナモン2本+35度ホワイトリカー720mlで1ヶ月前後。甘味はお好みですが、入れですが、るなら60gまでにして、味をみましょう。


5: 菊花酒

 秋と言えば菊、というように日本を代表する花ですが、元々は中国原産です。旧暦の9月9日、重陽の節句には菊花酒を飲んで長寿を願う風習もあります。日本酒に菊花を浮かべるだけでなく、本格的に菊の風味を楽しみましょう。

 食用菊50g+35度ホワイトリカー600ml(+氷砂糖50g)で1週間漬けたら濾します。緊張を和らげ余分な熱やのぼせを除く薬膳酒です。

 なお、中国の菊花酒は数種の生薬を一緒に漬け込み、1年熟成させるそうです。


6: タイムワイン

 シソ科の代表的な🌿ハーブがタイム。調理用として魚料理などに用いられますが、胃腸にもやさしい薬用ハーブでもあります。ホワイトリカーで漬けてもよいのですが、ワインの方が美味しく仕上がります。

 生タイム10㎝×5本位+赤ワイン360ml+35度ホワイトリカー360ml+氷砂糖50gで、1週間で濾しましょう。ワインを使った果実酒は酸化変敗しやすいので、早めに(1ヶ月以内)飲みきりましょう。


7: クコ紹興酒

 クコはどこにでも繁殖する厄介者ですが、根っこの皮は地骨皮(ジコッピ)と言って列記とした医薬品です。葉は枸杞葉(クコヨウ)といって健康茶などにし、果実は枸杞子(クコシ)といって漢方や薬膳に利用されます。枸杞子は長寿に効果があるということで、枸杞酒も韓国や中国では長寿薬酒として有名です。

 焼酎で漬けるとちょっとまったりした味なので、紹興酒に漬けるレシピを紹介しましょう。

 枸杞子60g+紹興酒360ml+35度ホワイトリカー360ml+氷砂糖50gで、2ヶ月ほど熟成させて濾します。

肝臓を保護し目の疲労回復、肌の老化・足腰の衰えを予防します。今の時代にピッタリの薬酒かも?!


8: 霊芝酒  (マンネンタケ酒)

 サルノコシカケ科の1年生キノコ。漆を塗ったような光沢が特徴の木質のキノコで、昔から瑞草として珍重されてきました。疲労・神経衰弱、更年期障害や不眠、老化予防、肝臓強化、抗腫瘍などの効能が期待されます。

 漬け込み割合はお好みで、濃いのが好みの方は多めに加えてもよいと思います。生薬・霊芝100g+25度甲類焼酎900mlくらいでいかが。ちなみにこのお酒はかなり苦いですが、砂糖は加えない方がよいでしょう。3ヶ月くらいから飲めますが、木質で変質しにくいので、入れたまま熟成させられます。

左:市販品の霊芝酒  中:著者採取の天然霊芝酒

右:著者採取の天然コフキサルノコシカケ(梅寄生)酒


9: エゾウコギ酒

 エゾウコギはウコギ科の落葉低木で、根皮を生薬・刺五加(シゴカ)として珍重されます。滋養強壮から疲労回復、強精・陰萎、抗ストレス・不眠、筋骨強化、抵抗力強化などの効能が知られます。シベリア人参の別名もあり、根皮のほか枝も利用されます。

 生薬・刺五加や乾燥小枝100g+25度甲類焼酎900mlくらいで漬け、2カ月程から飲み始め、1年くらいで濾しましょう。漬け込みの濃淡はお好みです。


10: 紅花紹興酒

 紅花は昔から口紅の原料として栽培されてきましたが、生薬・紅花(コウカ)としても知られる植物です。血液の鬱滞、月経不順やPMS、更年期障害、肩こりや腰痛にも効果的で、女性のための植物といえます。ただ、妊娠中や月経時は控えてください。

 風味にクセがあるので、紹興酒とのブレンドをおススメします。紅花10g+紹興酒450ml+35度ホワイトリカー450ml+氷砂糖50gで、1週間~1ヶ月ほどで濾してください。